04.ものすごくおおきなプリンのうえで

「で、できたー!」

喜びの声をあげ、大きく伸びをする。
慣れない事はするもんじゃないな。
あとはこれをDIOさん家に持って行って…。

ピンポーン

なんとも間の抜けた音が部屋に響く。
こないだネットで頼んだ本が届いたのかな?
判子を片手に持って玄関の扉を開ける。

「はいはーい、荷物ですかー?」
「ciao、なまえ」
「あ、ジョルノ君!」

インターホンを押したのはジョルノ君でした。
とりあえず不要になった判子はポケットにしまう。

「なまえがお休みと聞いたので、遊びに来ました。ご迷惑でしたでしょうか?」
「そんな事ないよ!ちょっと散らかってるけど良かったらあがっていって」
「はい、お邪魔します」

ジョルノ君はたまに私のアパートに遊びに来る。
(ジョルノ君以外の人もたまに来るけど)
遊び、と言ってもどこかに出かけたりするのではなく、
お茶してまったり本の話とかしてるだけだけど。
以前、この事について尋ねたら、
ジョルノ君は、「これがいいんです」って綺麗な笑顔で言われた。

そんな笑顔を向けられたら女の子なんてすぐ落ちちゃうと思うんだけどな。
なんで彼女できないんだろ?

「そういえばなまえ、何か作ってたんですか?いい匂いがします」

そう言って鼻をくんくんさせるジョルノ君。
本当はいきなり持って行って驚かせたかったけど、しょうがない。

「この間夕飯をご馳走になったお礼にと思って、プリン作ってたの」
「プリン!なまえ、僕の好きなものを覚えていてくれたんですね!Grazie!」
「テレンスさんが作るものには遠く及ばないと思うけど…」
「そんな事ないです!なまえが作るものならなんだって美味しいです」

そう言って私の手の甲に唇を寄せるジョルノ君。
ちゅっ、とかわいいおまけ付きで。
こういうの、どこで、習ってくるんだろ。

「え、えっと、あとでジョルノ君の家に持って行こうと思ってたんだけど、
ちょうどおやつの時間だし、食べてく?」
「はい、ぜひなまえと一緒に食べたいです」
「じゃあ紅茶いれてくるね!」

ジョルノ君はソファーで待ってて、と
手伝いたそうな彼を無理矢理ソファーに座らせてキッチンに駆け込む。

…DIOさんに会ったら文句言ってやる。




(え?パードレ達の分もあるんですか?)
(うん、だからあとで持って行こうと…)
(あの人達にやるなんて勿体ない。僕が全部食べます)
(…ジョルノ君って本当プリン大好きなんだなぁ)








(2011.8.15)
ちゃっかり手の甲にキスしちゃうジョルノ君まじ策士。
主人公ちゃんはそういう方向に免疫ない。
ジョルノとジョセフはわかっててやってる。




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