03.週末男の料理術

「シュトロハイムさん、お先に失礼します」
「なまえか、お疲れ。明日もまたよろしく頼むぞ」
「はい、それではお疲れ様でしたー」

バックヤードで伝票の整理をしていた
シュトロハイムさんに挨拶をしてから店を出る。
本日は早番なので18時にお仕事終了。
家に帰って読みかけの本を読んでしまおう。
そしたら積んであるあのミステリーを…
あぁでももう一冊の方から読もうかな…
なんて考え事をしていたら、

「なまえちゃぁぁぁん!!」

いきなり後ろから抱きつかれた。

「ぐっ…ジョ、ジョセフさん…くるじぃ…」
「おっとわりぃわりぃ!」

ジョセフさんが私からパッと離れる。
肺が酸素を欲している。
私は涙目でジョセフさんをじっとりと睨みつけた。

「そんな目で俺を見るなよなぁなまえ」
「誰のせいですか…」
「ん?俺のせいかな!」

そう言ってにかっと笑うジョセフさん。
まぁ彼なりのスキンシップなので、もう慣れた。
今回はちょっと呼吸止まるかと思ったけど。

「後ろからいきなりとかは心臓止まっちゃうのでやめて欲しいです」
「じゃ前からならいーのな?」

私が答える前にジョセフさんにハグされた。
本当、ジョセフさんのスキンシップって、過度。
さすがに公道の真ん中でこれはちょっと…

「ジョ、ジョセフさん、あの何か用があったんじゃ…?」

ジョセフさんが私の肩口から顔をあげる。

「お、そうだ忘れてた。なまえ、もう仕事あがり?」
「はい。家に帰って本でも読もうかと…」
「ちなみに、夕飯は?」
「…えっと、本読み終わってから、食べる、かも」
「なまえはそう言って食べるの忘れるじゃねーか!」

ジョセフさんはそう言って呆れた顔で私を見た。

本に集中するとご飯を食べないのはしょっちゅうで、
寝るのも忘れて読み耽る時がある。三度の飯より本が好きなのだ。
そのせいでふらふらになっているところをジョナサンに助けられた。
それ以来、ジョースター家の人は私の事を気にかけてくれる。
本当、感謝してもしきれないくらいだ。

「なまえ、その悪癖さっさと治せよな」
「ごめんなさい…」
「という訳で、夕飯は俺ん家で食っていきなさい!」
「はい…ご迷惑おかけします」

どうやら用って言うのは私に夕飯を与える事だったらしい。
わざわざ私を捕まえに来てくれたのか。

「よし、じゃーなまえも確保できた事だし、買い物行きますか!」
「ん?ホリィさん、何か買い忘れでもしたんですか?」
「いんや、今日は俺が作らせていただきます」
「えっ、ジョセフさん料理できるんですか?」
「何意外そうな顔してんだ。俺の料理スキルを舐めんじゃねーっての!」

ジョセフさんはそう言い放つと私の手を取ってスーパーに歩き始めた。

…皮むきぐらいは、させてもらえるだろうか。




(ジョセフさん、皮むきぐらいはやらせて…)
(こっちは一人で大丈夫だからよ、なまえは食器とか並べといてくれ)
(…皮むきすらさせてもらえない女子って…)








(2011.8.15)
主人公ちゃんに超過保護なジョースター一家。
ジョセフは料理普通以上に出来る。がっつり男の料理。
主人公ちゃんは普通よりちょっと下。レシピあれば時間かかるけど出来る。
ジョセフは2部のイメージでお願いします。




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