06.「ただいま」「おかえり」

「…あ!承太郎さん、きましたよ!」
「やっと来たか、待ちくたびれたぜ」
「まぁまぁ、そんな事言わずに。ジョナサーン!こっちですよー!」

駅の改札から出てきたジョナサンに向かって大きく手を振る。
私達に気付いたジョナサンが、ニコニコしながらこちらに向かってくる。
右手にキャリーバック、左手にボストンバックと、なかなかの大荷物だ。

「ジョナサン、お久しぶりです!」
「なまえ、久しぶり。元気にしてたかい?」
「はい、相変わらず皆さんにお世話になってますが、元気です」
「なら良かったよ。承太郎も久しぶり。悪いね、迎えに来てもらっちゃって」
「気にするな。その量じゃ歩いて帰るのも一苦労だろ」

承太郎さんがジョナサンの背中を指し示す。
なんと、リュックもしょっていましたか。しかもパンパンに膨らんでる。

「こんな所で立ち話もなんだ、とっとと車に乗れ」
「ありがとう、承太郎。ほら、なまえもおいで」
「はーい。あ、キャリー持ちますよ!」

ジョナサンのキャリーをごろごろ転がして承太郎さんの運転してきた車まで持っていく。
荷台に乗せるのは承太郎さんがさっとやってくれた。
早く乗れって事だろう。ジョナサンと二人、後ろに乗り込む。
ジョナサンの荷物を助手席に乗せて、完了。
承太郎さんの運転する車が軽やかに動き出す。
動き出すと同時にジョナサンが口を開いた。

「まさかなまえも迎えに来てくれてるとは思わなかったよ」

なにしろ帰国する事になったのも急だったし、とジョナサンが呟く。

「偶々お店に来てた承太郎さんが教えてくれたんです」
「黙ってたってなると後々なまえがうるせーからな」
「そんな事ありませんー!承太郎さんのいじわるー!」
「…なまえ、おめぇなんか精神年齢低くなってねぇか?」

承太郎さんがバックミラー越しに呆れた目で私を見てくる。

「うわーん、承太郎さんがいじめるよジョナサーン!」
「相変わらず君達は仲がいいみたいで僕は嬉しいよ」

そう言って目を細めて笑うジョナサン。この顔も久しぶりだ。

「そういえば承太郎、ジョセフ達も元気してたかい?」
「あいつらはバカはなんとやらだ。風邪一つひいちゃいねぇよ」
「そうか、みんな元気そうでなによりだ」
「ついでに言っておくと、DIOん家の奴らも相変わらずだ」
「彼に会うのも久しぶりだな、後でお土産持って行かなくちゃ」

おぉ、ちゃんとDIOさんにもお土産あるんだ。と変なところに関心する。

「ずっとエジプトで発掘調査していたんだけど、やっと一段落ついたんだ」
「…またすぐ調査でどこか行っちゃうんですか?」
「いや、今回のデータを日本で調べる事になったから、しばらくは日本にいるよ」
「本当ですか!わーい!」
「またなまえと一緒にご飯食べれるね」

後ろで歓声を上げる私に、承太郎さんがやれやれ…と呟く。

「おいなまえ、どうせあいつら張り切って飯作ってんだろうから一緒に食ってけ」
「そうだね、食べながらみんなにお土産話でもしようか」

だから、来てくれるよねなまえ。

答えはYes、その一択のみ




(おかえりなさい、ジョナサン)
(あぁ、ただいまなまえ)
(…やれやれ、だぜ)








(2011.8.17)
主人公ちゃんが幼い。素はこんな感じ。
今のところ主人公ちゃんが一番懐いてるのがジョナサン。
というかこの子、毎日の様に餌付けされてるな…。




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