手の中にあるのは一枚の紙切れ。電話番号とアドレスが書かれている。言わずとも彼のだろう。
「アイドルまで引っ掛けやがったかこの魔性の女め」
『…頭いたい』
何故か銀時に頭を掴まれ、力を込められる。ミシミシと音が聞こえるのは気のせいではない。痛いと言う割には平然としている弥生は手の中にあった紙を破き始めている。
「オイ、いいのかんな事して。オメー今全国のファンを敵にしたぞ」
『数字と英語しか書いてなかった…解読不可能』
「暗号じゃねーよ。暗号化してまでアイツはオメーに何を伝えたかったんだ」
『…お通まだ?』
「もう終わる頃なんじゃねーの?」
頭を掴まれる圧迫感は消え、いつの間にか撫でる形へ変わっていた。 2、3回ポンポンと叩かれた後、銀時はGOEMONが去っていた方へ向かった。
『……ピン子いいの?』
翌日、あのまま寝てしまった弥生は昨晩のことを新八から聞いた。 お通に送りつけられた脅迫状はGOEMONの仕業だった。どうやらGOEMONは女遊びが激しかったらしい。 そう…。の一言だけ返すと新八はお通の新曲を口ずさみながら掃除を始める。 微かな笑みを浮かべ、新八を眺める弥生だった。
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