ドゴッ!!

「なっ!!」

「「!?」」

「「「え゙ェェェェェ!!!」」」


見事に弥生の頭を土方の竹刀が叩いた。綺麗に入ったソレに全員がびっくりしている。誰もが思っていた、受け止めると。


「ちょ、弥生ちゃん!!大丈夫!?」

「オイ、コレ病院連れてった方がいいのか!?」

「落ち着けお前ら!!落ち着いてタイムマシンを捜せ!!」

「お前が落ち着けェェ!!」

「よし。人工呼吸だ。俺がやる」

「必要ねーよ!!明らか息してるから!!」

「副長ォォォ!!なんてことしてくれてんですかァァァ!!」

「う、うるせェェ!と…とりあえず、アレだ、寝かしときゃ…治んだろ!山崎、」


そう指示すれば弥生は山崎に抱えられ、屯所の中へと運ばれていく。残ったのは土方、沖田、近藤の三人。


「…竹刀二本にしてやりゃ良かったのか」

「そしたら土方さん、隊士達の前で女に負けた醜態晒すことになりやしたねィ。ププッ、だっせ」

「黙れお前後で殺すから」

「弥生ちゃんに謝っとくんだぞ」

「わーってるよ」


二人も弥生の様子を見るべく屯所へと戻っていくが、土方は彼らについて行かず、一人佇むとポケットからタバコを取り出し、それに火をつけた。

あの時、弥生は妙な動きをした。何も握らない腕を左斜めから右上にかけて振ったのだ。そして竹刀を持つ腕で土方の攻撃を阻止出来たにも関わらずそうしなかった。
彼女のことだ。勝敗関係なく早く終わらせたかったのだろう。
だがそれが問題なのではない。
何もない腕だったが、もし竹刀を握っていたならば、確実に胸部へ入っていた。


「(…わっかんねェ奴)」


結局、この立ち合いの目的を見出だせなかった土方は、紫煙を吐くと苦笑を浮かべるのだった。










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