「ぶふっ」


誰かに背中を歩かれ、またも頭を踏んずけられる。
再び顔をあげれば、二人の間にもう一人。


『……真面目なの…別にいいけど、そんなのぎんじゃない。

自分の思うように生きて、自分の思うがままに動いて、
自分の思った道を行くのが、ぎんだよ。

私はそんなぎんが…好き』


ズラリと、並ぶのは弥生達だけではなく、居合わせていた真選組も同じようにして立つ。
そして雄叫びをあげながら、一斉に砲筒を破壊すべく駆けて行く。


「新八、木刀もってきたろうな?」

「え、あ…ハイ…
!!」


横を通りすぎた影は、新八の手から木刀を奪った銀髪の男、


「工事長
すんませーん。今日で仕事やめさせてもらいまーす」


久しぶりに聞いたふざけたような口調。それは銀時の記憶が戻った証だった。
銀時は屋根に飛び乗ると大きく飛躍し、砲筒が放たれる直前に一撃を入れ、破壊した。

ポケットに手を入れ、俯きながらやって来る銀時。
無言で横を通りすぎる彼を目で追い、


「けーるぞ」


その背中を追うべく新八と神楽は駆け出す。
もちろん弥生も、マイペースに彼らへ続く。
いつかまた、それぞれが思う道を進む時がきたら、別れというものがあるだろう。
でも―――


「なァにチンタラ歩いてんだよ。早く来い、弥生」


少しでも永く、四人一緒に居れることを弥生は密に願った。










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