雨季


 降り続く雨にボクの心はドロドロになって、最早もう立ち上がる気力すらありません。

 いつになったら雨が上がるのか、それすらもわかりません。

 時間が一番の薬だと優しく諭してくれた人もいますが、時間は平等に過ぎてはいかないってことを初めて知りました。


 けれど、先日。

 たまたま入ったカフェで、キミに出逢いました。

 雨雲に霞んだグレーの心に、一筋の光を感じました。

 「キミはボクの太陽です」なんて、とんでもなくバカバカしい台詞だと思っていましたが、考えた人はかなり本気だったんだろうと気づきました。


 雨が上がれば虹が見えるのですね。

 虹は雨が降らなければ、見ることはできないのですよね。

 ボクに雨を降らせた貴方も、本当はひとり雨に濡れていたのかもしれませんね。

 気づかなくてごめんなさい。

 ボクの雨季はそろそろ終わりを迎えそうですよ。

 貴方はいま幸せですか?


[*前] | [次#]
[top]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -