翌日


 ズタズタに引き裂かれたはずなのに、翌朝に腹の虫が鳴くのはどういうことだろう。
 これほどに自分の逞しさに脱力したことはない。

 思っていた以上にダメージが少なくて、すっきりしているのは何故?


 部屋の中は昨夜の嵐の名残があって、ちまちま片付けをしなくちゃならないというのに。全くもって傑作だ。
 こんなことなら悩まずに早く殴り合いをしとけば良かった。悩んだ時間を返してくれ。もういいや、あいつのことなんて。

 そんなことを思いながら、バリバリとレタスを食んでいるとインターホンの音。
 慣れた様子で上がり込む足音に、またため息。そして聞こえた言葉に、また脱力。


「腹へった」


 オマエもかよっ!


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