無人駅
誰もいない駅の夜の静寂の切っ先で、ひとり虚しくステップを踏む。
不安定な七拍子。
始めに四拍子でブルースを。
後は三拍子でワルツ。
闇に向かって欠けていく三日月が、目を細めて見下ろしている。
割り切れない七拍子。
不安定に揺れる足元。
あと一拍、足せば八拍子になって楽に動くことが出来るのにね。
足りない一拍に隠された想いを抱いて、ひとり踊る階段の踊り場。
あの人が足を踏み外しませんように。
祈るようにひとりで、オブリガード。
諦めに行く、この想い。
さようならのステップ。
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