夢枕


 キミの夢枕に立つ夢を見ました。
 おかしいですね。

 ぐっすり眠るキミを見下ろして、何故か哀しくなる夢です。

 しっかり閉じた目蓋も、うっすら開いた唇も、微かに上下する胸の平たさも、何もかもが哀しくて、
 夢枕に立ちながら、ボクは声を殺して泣きました。

 気持ちは傍にあるのに、この距離に負けてしまいそうです。

 メールも電話も、いつでもふたりを繋いでいるのに。

 同じ形の体というだけで、こうも哀しいものなのですね。

 例えば、無理矢理に形を変えたとしても、魂までは形を変えることはできないでしょう?

 変えられない。
 それが哀しい。

 体、魂、気持ちさえ。


 今夜もきっと、夢枕に立つ夢を見ます。

 哀しさを確認する、そのために。


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