余白


 人生という名の便箋に余白があるとしたら、
 ボクは迷わずそこにキミへの思いの丈を綴ろう。


 誰にもわからないように、文字はあぶり出しにしておくから。
 キミならきっと気づいてくれるよね?


 綺麗に折り畳まれた便箋を火に焼べる時、チリチリに焦げた思いの丈が、炎に煽られてキミに届きますように。


 それまでは気づかなくていいから。
 そんな余白など在りはしないと、うそぶくから。


 ボクとキミの想いは、この世では成就しないんだ。
 だから焼かれたその後で、灰になって消えていこうね。


 人生の余白に吐き出す全ての嘘が、近くて遠いキミへのラブレターだよ。


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