恋する月曜日 3


「ユ、…ウ‥やめ」
「やめない、よ」

 苦しげに抗議する唇の隙間を狙って、するりと意思を持った舌が入り込む。
 思わず逃げを打つ良紀の舌を追いかけ、裕一郎はヌルリと絡み付き、ジュッと強く吸い上げた。
 瞬間、良紀の首筋から背中に向かって甘い痺れが走った。

「ふ、うっ、…ア」

 更に角度を変え、唇全体を優しく甘噛みしながら、唾液の溢れた口腔全部を舐め回し、きつく吸い上げられて、良紀は気持ちごと身体を追い上げられていく。

「ユ…くる、し」
「ん〜? 好きだろこれ」

 下から見上げられて。
 自分の恥ずかしい部分を暴くような響きを含んだ言葉に耳がカッと熱くなる。
 裕一郎の口調がいつもよりも強引な感じで、それが良紀を堪らない気持ちにさせるのだ。

 頭を押さえていた左手はいつの間にやら場所を移し、うなじを撫でながら背骨に沿ってそろそろと下へ降りていく。
 時折、動きを止めては、そこで円を描くように指先が動く。その度に良紀は自分の身体が意思に反してビクンと震えるのがわかった。

「感じてんだろ?」

 服の上から弱いところを暴かれて、身体の内側からどうしようもない熱がこみ上げてくるのを必死に耐える。…が、首筋に噛みついてくる裕一郎の唇に翻弄されて、喉の奥から力の入らない情けない声が出てしまう。

「ん、やぁぁ…」
「ほら、もっと感じろよ」

 腰を掴んでいた右腕はとうにそこを離れ、ジーンズの上から腿の裏側や盛り上がったお尻を撫で回す。
 首の後ろからゾワゾワと肌が粟立ち、腰がぶるりと震える。


 ああ、どうしよう。
 凄く…気持ちいい。


 真っ赤な顔をして震えながらも腕の中から逃げ出そうとしない良紀を、裕一郎は再び腰に腕を回しギュッと引き寄せた。

「ベッドに行くか?」

 耳元で響く声音はいつもより低くてゾクリと腰にくる。
 胸元で、ほぉ〜と息をついた良紀が微かに頷くと、それを見逃さなかった裕一郎は力の抜けた薄い身体をひょいと抱き上げた。


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