恋する月曜日 4
今日の裕一郎は意地悪だ。
跳ね上がる身体を自分では抑えきれずに、良紀の頭は力なく左右に動いていた。
「このままだと汚れるよ、どうしたい?」
問われても上手く口が動かない。何か言おうとする度に裕一郎が唇を吸い上げるから、意味不明な声しか出せない。
「んん…ユ、…や」
「ヤじゃないくせに」
クスクスと笑いを溢す裕一郎の指先が、良紀の柔らかい髪の中に入ってくる。
その気持ち良さに思わず高い声が上がってしまう。
先刻、裕一郎の逞しい腕からベッドに投げ出されて、良紀はそのままずっと身体を撫で回されていた。
洋服は着たままで、脱ぐことを許されずに。
すんなりと伸びた指先が固く尖った乳首を掠め、弾き、唇がそれを追いかけてキツく噛まれ、吸われて。
直接与えられないもどかしさに焦れながら。
布地の擦れる感触とからかうように動く裕一郎の両手に翻弄されて、白いシーツを皺だらけにして身悶える。
「ダメ…髪、ダメだ、から」
差し入れられた指先が、ざりざりと髪の中をうごめき始めると身体中に甘い痺れが広がっていく。
「ユ、ウ、ダメ…っ」
「…良紀」
「見、…ないで」
良紀は息を噛み殺しながら、目尻に涙が溜まって裕一郎の顔が滲んでいくのを頭の片隅で感じていた。
「あぁ、…ん」
「髪で感じるなんてやらしいな」
「ば、か、や…ろ」
「このままイケそうだな」
「…やぁ」
それは嫌だと思っても、高められた身体は今さら自分の言うことなど聞かないとわかっていた。
せめて洋服を脱ぎたい。腰に纏わりつくジーンズの硬い感触が辛い。
すっかり勃ちあがってしまった自身が窮屈で堪らなかった。
良紀は懸命に目で訴えたが、見下ろす裕一郎の眼は獲物を捕らえた雄の色に染まっていて、もはやどうすることも出来ない状態だ。
「このままイケよ」
耳をペチャリと舐められて、命令口調の強い声に良紀の身体はぶるりと震えた。
もうそこまで来ている腰回りの熱が一気に喉元にまでせり上がり、ぐぅ…と唸り声になって零れる。
「汚しちゃえって、おまえので」
「ん、っ、…あ、あああ」
さらに強く、髪の中をざりざりざりと掻き回されて、良紀は洋服を着たままあっけなく熱を放った。
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