純粋な後輩

「涼宮先輩」
「なに?」
「名前で呼んでいいっすか?」
「!」

いつぞやに聞かれた質問と同じ質問に思わず嬉しさがこみ上げた 
その質問をされたのは、彼と親しくなってすぐの時にされたものと同じだったから

「もちろん、いいよ」
「じゃあ刹那先輩、俺の事も名前でいいですから!」
「じゃああっくん」
「な、なんですかそのネーミングセンス…」
「えー可愛いじゃん」
「…なんだかとてつもなく微妙なんすけど、まぁいいや、改めてよろしくっす!」「う、うん」

そのまま隣のコートまで走り去った彼を見詰めていると後ろから声をかけられた

「だからいったろ?」
「いっちゃん…うん、あっくんいい子だよねホント」
「生意気だけどね」
「そうだね」

そう言ってお互いに笑う

「後は真田だけど…んー」
「え、私的にはあっくんよりゲンちゃんの方が和解できそうだったんだけど…」
「あいつ思い込むとめんどくさいから」
「あー…うん」

思い込むしさらに頑固だし…確かにあっくんより手ごわいかも

…でも今はあっくんとの距離が少し縮まったことを素直に喜んでも罰は当たらないと思う



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bkm