ひとり
おかしい、そう思ったのは朝の光景からだった

私はマネージャーだから誰よりも先にテニス部のみんなに会う
なのにいつも通りの反応をしてくれるのがいっちゃんだけ 
そのほかは何故か簡単な挨拶だけだった、少し違和感を覚えながら教室に行ったらすごくビックリした 
だってあれほど毛嫌いされていた転校生、宮野さんに2人がベッタリだったのだ

2人というのは言わずもがな同じクラスのブンちゃんとハルくんである 
宮野さんと目が合ったとき、すごく勝ち誇った笑みを浮かべられた
しかも厭味ったらしくおはようなんてあいさつされた


「あれ、お前らもう仲良くなったのか?」

「うん!涼宮さんにはよくしてもらってるの!」



へえ以外、私の好感度あげるようなこと言うんだ、それともみせつけてるつもりなのかな 

うん、おもしろくない。 

休み時間、同じ空間にいるのも嫌で屋上へ逃げてきた


「…」


私は一人でいるのが好きだ
余計なこと考えなくていいし気楽だからだ。

でも一人は嫌いだ、こんなに、皆といないだけでこんなに寂しくで不安で…


「っ…」


言わない…寂しいなんて口に出して言えない 
言ってしまえば私は見えない何かに負けてしまいそうで 

そう思ったとき屋上のドアがガチャリの開いた


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bkm