標的



「―――で刹那は普通にばらすんだね」


部活終了後、レギュラーの皆に残ってもらい先程の音声を聞かせた 
そして幸村が最初に口を開いたという訳だ


「私はそういう人間だから、軽蔑した?」


実際前世の私もそうだった、親友は裏切らなかったけど
うわべの友達の悪口や情報は普通に親友に流した 

そのうわべの子はクラスの皆から毛嫌いされていて、私はそんな奴のうわべの友達 
あっちは本気で友達だと信じてやまない、私はそんな彼女の情報をこっそりと親友たちへ、そしてクラスへと伝わった 
正直そろそろばれるだろうと思った頃合いになってもばれなかったのでちょっと調子に乗ってた記憶がある 

つまりこれ位歪んでて最低な人間だという事だ、けど幸村は動じることなく普通に言葉をつづけた


「いや、新発見だなって思っただけ」

「ふぅん?」


さり気なく周りを見渡すがレギュラーも軽蔑の眼を向けてくる人はいなかった 
いや、流石にゲンちゃんとかにはキレられると思って覚悟してたんだけど・・・


「兎に角、刹那が標的にされたみたいだからこれまで以上に俺達がしっかりしないとね」

そう言うと皆は同意とばかりに頷いた


「刹那を標的にするなんて…俺らを敵に回す事になるって気付かないのかな」


そう言った幸村は本気で黒かった、もう何も言えない位怖かったよホント



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