パートナー
「光はさ、私が白玉だって最初から知ってたの?」
ふと疑問に思ったことを聞いてみる
私が白玉だと知っていて絵師の話を持ちかけてきたのだろうか?
先ほどの話では確信したのは、と言っていたから私ではないかという疑問はそれより前から持っていたわけだ
「最初は知らんかった」
「え、そうなの?」
「おん、お前が白玉やって初めて気づいたんはイメージ画みたときやった」
私たちの学校ではそれそれ秋近くなってくると合唱コンクールというのが学校内である、クラスごとに曲を決めて歌うのだ
そしてその曲のイメージ画を描き、選ばれた人の絵がそのクラスの代表の絵として展示される
「音彩は風景画とかかかんけど、前まではたまにあげとったやろ」
「確かに、あの頃は風景苦手で描きまくってたからね」
というか背景を描くのが苦手だったのでいろんな風景を描いていたわけで、そのうちの数枚ああげていた気がする
少しして消してしまったものもあるから覚えている彼はほんとにすごいと思う…
「というかそんな初期から見てくれてたの?」
「見つけたんはたまたまや、けど音彩のイラスト見てすぐ相方はこいつしかおらん思った」
「…ありがと」
さらっと言ってくれたが、改めて言われるとなんだか照れくさいものがある
「音彩」
「なに?」
「これからも相方よろしゅう」
その言葉は今までパートナーを務めさせてもらった私に強く響いた
「任せてよ、頼れる相方さん」
パートナーを組めたのが、好きになってくれたのが光でよかったと思えた
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