きっとすぐ






「っちゅーかなんで気付かなかったん」

「・・・面目ない」


よく考えたら生放送はあんまり見ないにしろ
(これからは彼のは極力見ようと思う)数回見てるし確かに関西弁だった
それに歌ってみたも聞いてるのに何で気付かなかったんだろう 

確かに自分気づけよと思うところはある


「あと、俺が白玉って確信したんは机に落書きしとるの見たから」

「…なんのラクガキ見られたんだ私は」


落書きして放置なんて日常茶飯事なのでなにを目撃されたのやら…というか今も現在進行形で放置中だし


「それに、俺は白玉としてやなくて音彩としてのええ所もちゃんとみてた」

「え?」

「自分でもようわからん内に好きになっとったんや、自然と目で追ってた」


その言葉に私は驚いた


「いっつも普通に話しとるように見えたやろうけど内心無駄なこと言いそうで焦っとったし」


初めて聞いた彼の気持ち、それを知ってしまうと何故だか彼が可愛く見えてきた


「なに笑っとんねん」

「ごめ、なんか可愛いから」

「…」

「それに、恥ずかしいけど嬉しいな」


そういうと彼も照れつつ顔をそらす、やばいさっきから可愛くしか見えないこの人



「音彩」

「ん?」

「俺、返事聞いてへん」

そりゃぁまあ決定事項のように言われたからな!

でもいざ返事をするとなってもなんだか妙に考えてしまう


「…言わないとダメ?」

「当たり前や」

「うう、相変わらず俺様…」

「ええから、どうなん?」

「…正直よくわかんない、初恋もまだだし」


強引とはいえ、付き合いだしてからいう言葉ではないことは重々承知だが
私としては初恋もまだなので恋愛がよくわからない
だから彼にかかわらずだれに好意を寄せられても答えるのは難しいのだ 
呆れられたかなとちらっと顔を覗き込む


「…まぁ音彩やしな」

「なにその諦め方」


そういうと微笑で流された
あれ、そんな顔できるんだ…というかトキメいていまった


「ゆっくりでええよ、絶対惚れさせたるし」


得意げに言われたその言葉に私は思わず納得してしまった

きっとすぐ彼を好きになる



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