初耳





結局昨日色々考え

もう彼のファンにリンチされる覚悟でクラスに入る…と、クラスのファンの子の数名が私に駆け寄ってきた
何故かもう噂が広がっている事をそれで確信した私はキレられると思い心の準備をしたのだが・・・


「朴木さん、財前くんと付き合ったってホンマ!?」

「ぇ、あ…うん」


付き合ってないと言ったらあの俺様に何を言われるかわかったもんでは無いので諦めて肯定する
自分で自分の死刑宣告をするという悲しい結末に私は若干涙目になりそうだった


「財前くん…ついに報われたんやね!!」

「・・・え?」

「ホンマ良かった!2人が付きおうてくれる事になって!」


まるで自分のことのように喜ぶ皆についていけてない私は一人で頭にハテナを浮かべていた


「財前くんずっと朴木さんの事好きだったもんね!」

「え、そうなの?」

「せや!朴木さん気づいとらんかったん?」

「まぁ」


初耳だぞそんなの 
どうやら気づいていない私が可笑しいという方向に話が進んでいるらしい

向けられた好意に気付けてないって
私が鈍感だったのか彼がわかりにくかったのか皆が鋭すぎるのか…

とりあえず、学校生活に支障が出る事はないようだった


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