私だけ修羅場
「うーん…」
私はペンタブを動かしながらぼんやりとグリンさんこと一氏先輩の言ったことを思い出す
『ええか、一応ドッキリ的な感じにしたいねん、財前のやつにはいうなや』
「絶対キレられるわ…」
他の人のイラストとかPVとか書くなとか言われてるわけじゃないけど前に勝手にコラボした時に微妙に不機嫌だったし
「でも引き受けちゃったし断れないよねぇ…まぁ怒られたら全部先輩のせいにすればいいか」
ドッキリとか言ってたけど一氏先輩凄い悪い顔してたし…まぁ俺は悪くねぇ。
そもそも声優の声真似と言う素晴らしい特典を付けられたら誰だってそうする、私もそうする
「うわっ」
こういう時に限ってスカイ○で通話かかってきたという
一瞬躊躇ったけど無視するわけにもいかずにマイクとイヤホンを装備
「もしもし?」
『なんや時間かかっとったな』
「そりゃマイクの線とかさしてなかったから」
『そか』
まぁかかってきたことに対して驚いてた時間の方が長かったんだけどそれは内緒だ
『暇?』
「暇ではないと思う」
『なにしてるん?』
「…絵描いてるー」
『何書いとるん?』
今度グリンさんが声真似するやつ、とはいえずに前書きかけだったものを思い出した
「レナス」
『VP(ヴァルキリープロファイル)?』
「うん」
『また懐かしいもんを…うpはよ』
「えーめんどくなってきたから止めたところなんだけど」
『っち』
「舌打ちすんな」
そんな会話をしてるとスマホがラインの音を鳴らしていた
「なんだよーもう…」
『ライン?』
「そうそう」
そう言ってスマホを手に取って停止
[グリン:おいPV作成すすんどんのか?]
「…」
ま た お 前 か
いやまたという事もないけどこのタイミングでお前か!と叫びたい
『どないしたん?』
「あー、何でもない、友達」
『ふーん…?』
うわーなんか怪しんでる時の声だ
「そうだ光、新曲とかってだすの?」
『今んとこまだ』
「そっか」
話題を逸らしながら内心ほっとしてた
これで光まで新曲出すとか言ったら私過労と睡眠不足でタヒる所だった
取りあえずこれが出来るまでは光に内緒にしないとね
私は先輩に順調ですと返事を返しながら光と会話しつつPV作成に全力を注いでいた
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