だけど二人には宮野さんが珍しく出した素の女の子オーラが全く聞かなかったらしくしれっとした表情と続ける
「なんでって俺緋蝶んこと好きやもん」
「え」
「あー俺も俺もー」
「え!?」
「緋蝶小動物みたいでかわええしなぁ」
「マイナスイオンでとるよなぁ」
「いやいやいやいや二人とも落ち着こう、取りあえず深呼吸しよう」
「「緋蝶が落ち着き」」
二人とも当たり前のようにサラッと言ったがありえない発言が聞こえてそう言うと二人綺麗にハモって見せた
蔵ノ介くんは百歩譲って許すけど謙也くんはヘタレって言われてたけどあれガゼだったの!?
私はとりあえず口を閉じるが睨みつけて抵抗してみる
「かわええかわええ」
「…」
頭ポンポンされて終わった、私の抵抗も虚しく終わってしまったようです
「どうして!私の方が断然可愛いじゃない!」
そんな時、素晴らしく空気を読まないというか逆に清々しいほどの自意識過剰な台詞が私の右から左に受け流された…やっぱり古いなぁ
そんなことより彼女のその一言でがやがやしてた場が白けたので凄い効力だったんだなと思う
周りの皆もビックリしてるし蔵ノ介くんと謙也くんはありえないものを見るような目をして宮野さんを見てる…あの言葉叫べるの宮野さん位だよね
「それって世間体の可愛さなん?」
「ありえへんて!それなら俺世間体から外れた感覚でええし」
「自然な可愛さの滲み出てる緋蝶のがかわええと思う」
「俺もや、第一俺積極的な子苦手やねん」
「自分の作っとる感じが無理やわ」
なんというか…凄いボロクソ言ってますねお二方…プッツンした私でもそこまで言えないよ
宮野さんも信じられないといった表情を浮かべている
「それに、もし見た目が宮野さんのが可愛かったとしても性格の差で断然緋蝶やろ」
「見た目可愛くても性格ブスじゃ無理やろ」
「っ〜!!」
ついに耐えられなくなったのか悔しそうな表情を滲ませながら教室から出て行った…なんというか、すごい迫力でした
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