「たまたま目があっただけなのに、冷泉さんが…」


偶々だったら私も右から左に受け流してたよ…自分で思っておきながらあれだけどネタがフルすぎるね。

「嘘だよ!だって緋蝶ちゃんは睨んでたって言ってたじゃん!」


堪らなくなったのか先ほどから何とも言えない表情をしていた梓ちゃんが初めて声を上げた それが嬉しくてつい小さくありがとうと呟いてしまった


「緋蝶、詳しく説明してみ?」


親が子を宥めるような言い方だったのは、私がこの状況に少し戸惑っていることに気づいていたからなのかはたまた…実の所は私にはわからないけどね


「私は…最近宮野さんが私を睨んでくるから止めて、言いたいことがあるなら直接言ってって言っただけだよ」

「だからたまたま目があちゃっただけじゃない!」

「嘘、ホントにそうなら私が話しかけた時そう言えばよかったのに」

「緋蝶ちゃんの悪口だって言った癖に!」

「なんやて?」


梓ちゃんがそう言うと聞きに回っていた謙也くんが反応した、蔵ノ介くんもそこらへんもうちょい詳しくと彼女に視線を向ける



「一人じゃ何もできないとか色目使って男蔓延らせてるとか」

「ふーん?」

「俺ら普段一緒におるけど色目使われたことないで?」

「寧ろ使えるなら使ってほしい位なんやけど、緋蝶」

「え、色目って…何すればいいの?」

「とりあえず俺が…」

「いや白石まてや」


え、どういうことなの 
いつの間にか変な方向に向かってしまっている会話に戸惑っていると宮野さんが怒り出す


「白石くんも忍足くんもどうして冬白さんばっかり贔屓するのよ!」


私を優先して!
というオーラを出しつつも悲しげに言うそれは女の子してた

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