「緋蝶」
「あ、蔵ノ介くんお疲れ様」
「…なんや偉い懐かれ取るなぁ」
「そうなんだよね、早くも母性本能に目覚めた感じがする」
なんのことかというとさかのぼる事30分前
「ねーちゃんねーちゃん!」
「え、私?」
「せや!ねーちゃん!」
思わず聞いてしまったがここは男子テニス部だしねーちゃんといわれたら私しか居ないだろうけど…
でも誰がねーちゃんなんて呼ぶんだろう?そう思って振り返ったら天使が居た
「自分白石達が言うとった緋蝶ねーちゃんやろ!?」
効果音にするならバキューンと言った感じで私の心は撃ち抜かれた
キラキラと目を輝かせて此方を見る彼は見るからに純粋無垢な西のルーキーくんじゃないか
「そうだよっ(ヤバい過呼吸だ状態になりそう…!」
「ワイ遠山金太郎いいます、よろしゅう緋蝶ねーちゃん!」
「こちらこそよろしくね、遠山くん」
「なんか苗字て堅苦しいなぁ、もっと気軽に呼んだってや!」
「じゃあ金ちゃん?(私が呼びたいだけである」
そして呼び方が了承され仲良くなり冒頭へ戻る
彼は純粋無垢で天然だと思っていたのだが結構芯が通っていて驚いた
「ええなぁ緋蝶ちゃんがオカンかぁ…じゃあ俺がオトンやなぁ」
「えー白石がオトン?」
「金ちゃん、毒手」
「!!!」
毒手いややー!と言いながら私の後ろに隠れる金ちゃんにまた私の心が萌というダメージを喰らった
「こら蔵ノ介くん、めっ!」
「めって…!なんなんこのかわええ生き物……!!」
「・・・・」
ブツブツいいながら蔵ノ介くんは苦しんでいた
あれ結構私の言葉にもダメージを与える効果ってあったんだね
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