「・・・は?」
教室に行くと、何時もいるはずの朴木が居なかった
何処かに言っているのかと思ったが
そもそも鞄がなかったのでまだ来ていないことになる
早くこいや、とか思いつつ携帯を開いた所で受信メール一件
『今日、学校休む』
たったそれだけのメール それで冒頭に戻る。
「いやなんやねんこれ」
休む?アイツが?何時も馬鹿みたいに元気なアイツが?
謙也さんみたいにテンションが無駄に高い訳やない、けど元気な方やと思う。
っちゅーか、昨日風邪気味言うてただけやん、悪化早すぎとちゃう?
――― 一年の時から取り繕わないマイペースな朴木の傍が何故か居心地が良かった
最初はそれだけで…まぁ今もそれだけやけど
朝錬終わって教室に戻ると、何時ものアホみたいな笑顔で出迎えてくれるんや
『おはよ、財前くんお疲れ様』
なんて言って
でも今日はそれがない、今日はあいつの顔が見れないし、声も聞けない
なんや苛立って携帯に着信を入れた
少ししてから出たと思ったらいきなり切られた…何やねん
そう思って携帯を見ているとメールを受信した…朴木からや
『ごめん、今声出ないから電話無理』
それだけのメールを見て、何だか無性に居ても経っても居られなかった
そう思うと自分は案外行動に移すタイプだったらしく朴木の友達である東條に
簡単に説明してからあいつの家に行くことにした
東條はあいつの家を聞くのと同時に部長と幼馴染らしいのを理由にテニス部の方にまで連絡を頼んだ
「後で自分で連絡入れればええ話やけど…ま、音彩の一大事や、はよ行ってやれや!」
なんて、一言余計や。
自転車に乗ると漕ぎながら電話を掛けた
「…朴木、今からおまえん家行くわ」
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