「―――疲労骨折て、音彩ちゃん無理し過ぎや!」
「そや、そないな状態で走っとったなんて…」
「ごめんなさい…」
先輩達が怒っているのは心配してくれているからだとは分かっている
「でも、どうしても次につなげたかったんです…先輩達と、優勝したかったから」
そういうと先輩達は面を喰らった様な表情になって、すぐに泣き笑いしたような表情へ変わった
「アホ、#音彩ちゃん居らんかったら意味無いやん」
「ごめんなさい」
「でも…おおきに音彩ちゃん」
部長にそういって頭を撫でられたら、自然と涙が出てしまった
「暫くは普通に歩くのも難しくて、松葉杖ないとキツイです…なにより痛いですし」
そう言うと皆はそっかとシュンとした
「…暗くなったらアカン、折角音彩ちゃんが体張って繋げてくれたんやから」
「せや、項垂れとる場合やないで!次も絶対勝つんや!」
「音彩ちゃん、絶対優勝旗持たせたるからな」
「あはは…それ部長が私に言ってどうするんですか」
そういうとその場はどっと笑いが溢れた
私は笑いながら思う
ああ、やっぱり無理して良かったなって
部長達が優勝を目指して走って、私はちゃんと土台を作ってあげられたんだなって
…もう次の試合からは出られないけど、それでも私は使命を果たせたような何とも言えない気持ちになった
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