朝ドッキリ


「ちょっと音彩!聞いてないわよ!」

「え?」


今日は昨日内心愚痴ってた事がばれたかのように朝から部活だったため、お母さんが仕事に行く前に起きて来たのだ

着替えてから下に降りると音で下りてきたことに気付いたのか
お母さんが凄い勢いで近づいてきて小声で叫んだ


「あんなイケメンの彼氏出来てるなら何で言わないの!」

「え」


彼氏とはなんぞや


普通に思った事がそれだった

お母さんなんか勘違いしてるんじゃ、というかどういう事?


と聞く前にお母さんはリビングに戻っていってしまったため
後を追うようにリビングに向かう


「な…ナンデイルンデスカ財前クン」

「メールの後、確認したら同じくらいに部活始まるし一緒に行こう思て」


お前自転車ないからめんどいやろ、とさらりと言ってくれた彼だが、反対方向にわざわざ…低血圧の彼が!


「あ、ありがと」


私また顔赤いかもとか思いながら何時も座ってる席へ座る…必然的に彼の隣なのだが


「財前くんお昼は?」

お母さんが朝食を作りだした音がした時不意に思った事を口にしてみた


「買い食い」

「は?駄目でしょ!」

「じゃあ朴木つくってくれるん?」

「え…」


その返事は予想外ですよお兄さん


「別に、私のでいいなら、その…作ってもいいけど」

「え、ホンマ?」

「う、うん…いいけど」

「よっしゃ!」


なんか、よくわかんないけど…!

今の凄いキュンとした!!凄い可愛かった!


「ちょっと…ちょっと待ってて!今お母さんの占領してるキッチンハイジャックしてくる!」

「ハイジャックて…っふ、おもしろいやっちゃなぁ」


そうして財前はお弁当づくりに奮闘する音彩の姿を優しい眼差しで見守るのだった

…そしてそんな2人を見て母はニコニコしているのだった



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