前の席の彼


「…疲れた」

財前くんが前の席に座って後ろの席である私の机に顔を伏せる

「お疲れ様、財前くん」

「ん…」


心なしか髪までシュンとしている様な気がする 
そっと頭を撫でる・・・大人しくされてるからまぁ何も言わない。

財前くんの髪さわり心地いいなぁ


「あーまたやってるほのぼのカップルめ」

「「付き合ってないし(とらんし」」

「息ピッタリやん」

「っは、朴木が合わとるだけやろ」

「うわ、この人鼻で笑ったよ…」

「痴話喧嘩は余所でやりや」

「「痴話喧嘩じゃない(やない!」」


そう、私朴木音彩はこの生意気イケメンな財前光くんとは断じてお付き合いしていません

確かに友達としては仲がいいんじゃないかな
なんかわからないけど一年の時に懐かれた←
普通ならこんな美形と恐れ多い!ファンクラブ怖い!とか思うんだろうけど…私は別に気にしない

人の目なんて怖くて人間関係やってられるかってね、誰と仲良くしようが付き合おうがその人の自由だし
そんな私の性格もあってか2年連続で同じクラスの財前くんとはいい友達やってます、今だ苗字呼びだけど

ま、男女の友達なんてそんなもんでいいだろと思ってあんまり気には止めてなかった


「財前、そんなやから…音彩取られても知らんで?」

「…別に好きとちゃうし」

「?」


友達の美菜が小声で何か言っていたが何を言っていたのか私には聞きとれなかった



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