「美菜ちゃんの幼馴染の白石先輩ですか」
「あぁ、そういやあいつも財前のクラスやったな」
「そろそろノロケがうざいとか愚痴ってましたよ」
「ははは…後で毒手やな」
「どく、しゅ?」
「朴木、知らんでええよあれは」
ポンと肩を叩かれたのであえては追求しなかったが多分あの包帯巻かれてる腕
……え、どくしゅのしゅってまさか手?
「改めて…俺は忍足謙也や!よろしゅう!」
「ぁ、こちらこそよろしくお願いします」
「朴木、変態とヘタレな先輩達やからなるべく近寄らん方がええで」
「…」
「え、俺らそういう扱いなん?」
「まさか謙也と同じ扱いにされるなんてな…」
「え!?」
なんというか…忍足先輩、強く生きてくれ。取りあえず頑張ってほしい
「にしても朴木ちゃんも標準語やんな」
「あ、中学からこっちに引っ越して来たんです」
「へぇ、じゃあ緋蝶と同じや」
「??」
「あー、緋蝶さんは部長の彼女や」
「!」
さっきも名前出たけど…か、彼女…だと!?
くそ、リア充じゃないか!いいなリアルカレカノ!うらやましいぜこの野郎!
疑似デート体験なら私も今し方してきたがな!
「ん?すると私は一年間も標準語仲間に気づかずに生きてきたのか…」
「その言い方やと凄い深刻な問題に聞こえるな…」
「それ謙也さんだけやと思います」
「せやなぁ、朴木ちゃん緋蝶の好きそうな感じの子やなぁ」
「え、好きそうとは?」
「あぁ、あいつ可愛いもの大好きなんや」
あぁ、よかった、そっちの気もあったのかと焦ってしまったじゃないか
……って違う!
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