寝起き



「ん…」

不意に目を覚ましたのは握ったままだった携帯が震えたからだった


(こんな朝早くからメール?)


そうは思ったものの誰からのメールなのか容易に想像できてしまうのが本当に悲しいのだが

「…はぁ」

寝ている二人を起こさない様に私は身を起こしながらメールに目を通す、もちろんおはようという普通のメールだ。
現在5時、起床は7時であり2時間も早い


「ったく…」

明日もこれくらい早く起こされるのかと思ったらちょっと面倒になった、今日は寝る前に行っておこう


(それでも強く怒れないんだろうなぁ…)

自分はどこまで行っても最終的には彼を許してしまうことをわかっているからこ
その諦めというのもいくつか出てくるわけだが

(蔵が一途すぎる…私そんなに愛される要素あったっけ?)

考えてみたが結果は見えなかった


(やっぱり蔵が一途すぎるだけか)


私は自分の考えに苦笑してメールの返信をするために放置していた携帯を再び握りしめたのだった



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