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「姉さん」
「……」
「姉さん起きてください」
「うー、起きたくない」
顔を布団の中に埋めると、容赦なく布団をはがされる。
「っ!! 蓮二、寒い!」
「寒いなら早く起きてください、朝食の準備もうできますから」
「……わかった」
「ではまず顔を洗ってきてくださいね」
「水、冷たいし。顔洗いたくない」
「我儘言わないで、ほら」
ゆっくり起き上がると手を引かれて立ち上がるのを手伝ってくれる我が弟、私とは頭の出来が違う彼は自慢の弟だがこういう時鬼畜すぎて困る。
私は彼とは違って流れに身を任せるのんびりタイプだから弟の方が逆に年上だと思われることが度々ある。
「おはよう、お父さんお母さん」
顔を洗い、用意してあった制服に着替えリビングに行く。
すると、蓮二が言うように朝食が並べられてあった。
今日は珍しく洋食らしく、こんがり焼けたトーストとミルクティが置かれていた
トーストのバターが溶けかけ湯気が出ているから、私の分は起こされたタイミングで作ってくれたのだろうか。
サラダの隣が妙にあいているという事は、今母が台所で料理を作っているものがそこに添えられるのだろう。
「おはよう、今日もゆっくりね」
「ひなは低血圧だからなぁ」
「そうでなくてもひなちゃんはのんびり屋さんなんだから」
「もー二人とも」
私が大好きなミルクティを飲みつつ頬を膨らます。
父は「ははっ」と軽快な笑い方で、母はスクランブルエッグを皿に盛りつけながら誤魔化した。
「姉さん、今日は全校集会の時生徒会の集まり忘れないでくださいよ」
「うげぇ、忘れてた……」
散々やりたくないと言っていた生徒会に弟に半強制的に入れられ、どうせ落ちると思ったら立候補者が自分しかいなくて絶望したのは記憶に新しい。
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