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「ひなはほんまお姉さんやっとるなぁ」
「それいうんなら白石くんとか千歳くんもやろ、後財前くん」
「え、俺は!?」
「忍足くんは……おん」
「っは、謙也さん弟になめられとりますもんね……っぷ」
「笑うなや!」
あいも変わらずな忍足くんと財前くんに、思わず笑いながら皆を考察してみる。
忍足くんは性格上仕方ないと思う。それでもしっかりお兄さんしてるのは知ってる。
年齢関係なく対等に接してあげられるのが彼の良い所だ。時々年上ぶって失敗してる事あるけど。
千歳くんは妹さんがいい子だし、むしろ妹の方がしっかりしてそうだ。千歳くんすぐふらふらいなくなっちゃうし。
白石くんは……ああ、上と下からの威圧に頑張ってると思うよ、うん。
財前くんは甥っ子の面倒よく見てあげてるの見たことあるから、ちゃんとしたお兄さんしてるよね。面倒だと言ってもちゃんと気にかけてくれている。
「私、お兄ちゃんほしかったなぁ」
面倒見る側がすっかり定着してしまったが、面倒見てもらう方にもなりたいと思ったことは結構ある、無い物ねだりというやつだ。
すると私の呟きが聞こえたのか、白石が不思議そうに目を丸めた。そして私の両肩にぽん、と手を置いて真剣な表情になる。
「お兄ちゃんは無理やけど彼氏ならなれるで!」
一体何を言いだすのだろうか、この残念なイケメンは。
「冗談はその左手だけにしてや」
「ワイ、白石が兄ちゃんなんていやや!」
「部長乙」
「その言い方腹立つわ……」
「じゃあ誰が兄さんならええん?」
「うーん……」
いや、貴方達何かってに私の相手決めようとしてるの。
私本人をお構いなしに話を進める彼等に、ツッコミを入れようとした時だ。
金ちゃんは至極愛らしい笑顔を浮かべて言う。
「ワイ、銀がええ!」
『なん……やと……!?』
怖い位、その場の皆の声が被った。
「アカン! 子どもの髪の毛心配や!」
「本格的な仏教に目覚めてまう!」
「いや偏見やろそれ……」
「っちゅーかひなの夫はおrぐっ!!」
「誰が、誰の夫?」
変なことを叫ぼうとした白石くんの鳩尾をどつくと白石くんは「ええパンチや……ぐふ」と言い残して倒れた。
とりあえず、私はまだまだそういう類に興味はない。
だって私の毎日は金ちゃんに注がれているんだから!
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