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「どうしたの?」

「これは、押し花か」

「うん、そうだよ」

「今では稀に見る程押し花をする機会も減っているが……それにしても綺麗にできているな」


柳くんにも褒めてもらえた押し花の栞。
それは、私が中学に入ったばかりの時に作ったものだ。


「この時はこのコスモスが一番綺麗に見えて、どうやって保存するか困った結果押し花にしようと思たの」


懐かしいな……
そもそも押し花と言う単語を知ったのは、丁度その困っていた時だったというのは此処だけの話。
写真で残すしかないか、と思っていたから凄く嬉しかったっけ。
上手にできなくて先に別の花で凄く練習したのも、良い思い出。



「そう言えば中1の頃にお前と押し花の話をしたことがあったな」

「覚えてるの!?」

「ああ、妙に食いついてきたのを覚えている。もしかしてこれを保存したかったからか?」

「うん!」


―― ウチのお母さんはガーデニング趣味があってさ、私がコスモスが好きって言ったら後日庭で育てることになったんだ。
 濃いピンクが多い中で一輪だけ、控えめに咲いている薄いピンクを見つけた時は占い抜きでその子はまるで私みたいって思った。
 気づいたらそのコスモスばかりに目がいって、結果押し花にしちゃったんだけど。

 そう言って笑うと柳くんは「そうか」と薄く、柔らかく笑ったんだ。
 まるで、コスモスみたいに綺麗に。


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