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「ははは!浪速のスピードスターの方が上っちゅー話や!」
「謙也さんホンマうっさいっすね」
「なんやと!?」
「勘弁してくださいよ、俺ダブルス恥ずかしゅうなってきますわ…」
「そ、そこまで言うことないやないか!」
目の前で繰り広げられる一方的下剋上に私は苦笑を浮かべた…日常茶飯事とはいえ何とも言えない気持ちになる
「財前、謙也いじけると立ち直るまで時間かかってめんどくさいねん」
「まぁ、そうっすね」
「部活中は邪魔になるから終わってからにしぃ」
「白石の方が酷いわ!」
そう言っていじけモードに入って隅で体育座りを始めた謙也を見兼ねて私は肩をポンポンと叩いた
「ドンマイ謙也」
「ありがとうだけや癒しをくれるんは…」
「大げさだよ ――っわ」
別に癒し要素もないので素直にそう言うと
後ろからいきなり、しかしそっと腕を引かれバランスを崩した
ポフンという効果音が着きそうな感じで私は腕を引いた人物へ倒れ掛かった
そのまま守る様に抱きしめられ…まぁこれも日常茶飯事だから誰がなんて確認しなくてももうわかってるんだけど
「ちょっと謙也さん、ありがとうさんに触るんやめてもらえます?」
「え、別に俺触って無いんやけど…」
「ありがとうさんなんもされてへん?」
理不尽だと訴える彼を清々しいほどシカトして私の肩を掴んでそっと向き直らせると心配そうにこちらを見る
一見わざとらしい流れだが彼が本気で心配してる所が私は心配だ、ある意味で。
「大丈夫だよ、光くん」
そう言うとよかった、と周りからしたらレアな笑顔を頂きました。
まぁこれがまた可愛いのなんので、なんだか子犬が後ろからついてきてるようなそんな気分で日々生活しております。
「いちゃつくんはええけど部活中はアカンで!」
「うっさいっすわ変態部長、ありがとうさんに変態が移るんで近寄らんでください」
「っぐ、一回の発言でこのダメージ…」
なんだかよくわからないけど彼は周りにはこういったツンツンした毒舌を放つ
多分素直になるのが恥ずかしいお年頃なんだろう、光くんはいい子だし二人の事も先輩として慕ってるし
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