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「仁王くん」
「うぉ!?」
朝練で姿を見かけるなり後ろからラケットで膝かっくんをする…っふ、いい気味です
私のそんな行動に驚いたのか周りの人達がこっちを見てますが取あえず用があるのは仁王くんだけなので無視で行きましょう
「な、何するんじゃ柳生」
「何人の姉に告白なんてしてくれてるんですか貴方馬鹿なんですか?」
「ちょ、柳生キャラかわっとるぜよ…ちゅーか、え?」
「こっちは真剣なんですふざけないでください」
「ふざけとらんて!」
そんな言葉につい目を細める
レギュラーの方々がこちらに集まってきてるんですがとりあえず聞かれても困る話じゃないのでやはり無視ですね
「大体私は事故とはいえ貴方が姉にキスしたことだって許してないんですから」
「ちょ、あれは俺の方が被害あったじゃろ!?」
「何のことですかね」
「…柳生が黒いぜ」
「ああ、かつてないほどの怒りが浸透している…っ」
確かに仁王くんは幸村くんの予想外の行動のせいで被害にあったかもしれませんが私としては目の前で姉にあんなことをされたのが不愉快で仕方ありません
丸井くんとジャッカルくんがひそひそと話していますが何を話してるのかまでは聞こえませんね…
「正直姉が成人するまでは嫁にも彼女にもやる気はありません」
「ちょ、シスコンすぎるだろそれは」
「自他ともに認めていますよ丸井くん」
「げ、マジかよ…」
「因みに姉もブラコンなので問題ありません」
「いや問題あるだろ」
「確かに問題だね…」
話に入ってきた幸村くんが凄く神妙な面持ちで考え込むようにして顎に手をやっている
「そうなると俺成人するまで待たないといけないのか…」
「えええそっち!?」
「いやいやそれ以前に幸村にありがとう先輩はやらんぜよ!」
「ふふ、いい度胸だね仁王」
「ひぃっ」
全く、この勢いだと牽制した意味がなさそうですね…正直姉がどちらを選んで私は文句は言いませんよ
…仁王くんは少しヘタレてるので心配と言えば心配ですけど
どちらも選ばないかもしれませんしね
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栞