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「あ、比呂士ー!」

「!…姉さん」



移動教室で廊下を歩いていたら見慣れた後姿があり声をかけるとやはり我が弟が居たわけだが、違和感
近寄ってみるとますます違和感を覚えた。

すっごい似てるけど、違う


「比呂士、じゃないよね」


声や背丈も一緒だったけど長年一緒に暮らしていた私の目は誤魔化せない


「誰?」

「…よくわかったの」

「雅治くん!?」

「プリ」


流石に誰が化けていたのかまではわからなかったが驚いた、彼にこんな特技があったとは…


「凄いね雅治くん!普通そこまで似せられないでしょ」

「んー、本人になりきる為に普段から観察してたら自然とできるようになったぜよです」


普段から観察…だと…!?
目をかっぴらく勢いで心の中で叫んだ

それはあれですよね、私生活にも大いに関係していると言いますか!
比呂士の色んな癖しぐさを本人も気づかないくらい観察してるのか…!
更に観察するためにうちに泊りに来てそういう展開になればいいのに!

末期な頭でそんなことを考えているとこの間見たようなふてくされた表情をされる、おいその恰好でその表情されると面白いからやめろ


「バレたのはこれが初めてナリ、ですよ」

「ブラコンの私に死角はなかった」

「ブラコン…」

「ちょ本人にも引かれたことなかったのにー」


今のは絶対引いたリアクションだったのに彼は引いたわけではないと苦い表情で言う、いや引いてるだろこれ


「あ、見つけましたよ仁王くん!」

「柳生」

「へ…比呂士も雅治くんになれるの!?」


まさかの雅治くんが走ってきたかと思うとそれはまさかの弟だった感じで


「姉さん…仁王くん、変なこと言ってないでしょうね?」

「言う前にバレたナリ」

「バレたって…流石ブラコンの姉さんですね」

「シスコンの弟の事ならわかるよソウルブラザーよ」


そう言って結構全力で背伸びして比呂士の肩をポンポンと叩いた


「…そのやり取りいつまで続くんですか」

「嫌だなーふってきたの比呂士だよ」


むすっとすると同じような表情をしたのがもう一人
この子最近ふてくされてないか?人生楽しまきゃ損だぜナイスガイ


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