5


心地の良い陽気、窓から暖かい太陽の光と柔らかな風が私頬を撫で外には仲睦まじい男子生徒がじゃれ合っている 
いいね、私末期だからそういうのだけで萌えるわ、ヘッドロックかけてても萌えるわ


「先輩」

「ん?…あー雅治くん」


お昼休みに図書室でボケーっとしていた(正確には歪んだ心で生徒を見ていた)ら不意に声をかけられた我に返った


「どうしたの?」

「先輩こそこんなとこでなにしてるんじゃ…ですか」

「ここ暖かいからベストプレイスなんだよね」


ついでに妄想できるし、とは流石に言わなかった
どうでもいいことだけどベストプレイスって単語を聞くとシャー○ンキング思い出すんだよね、昔オーバーソウルとか叫んでたわ…


「雅治くんこそどうしてここに?」


果てしなく場違いな回想をはじめそうになっていたので頭を軽く振りつつ話を戻す


「偶々廊下通ったら見えただけナリ、です」

「そっか」


それにしてもこの後輩、敬語を使う気がないのか私をバカにしたいのかどっちなのだろうか
よくわからないというか語尾だけとってつけたような敬語について触れようと思ったけど低確率で遭遇したというレア差が私を踏み止まらせた


「ありがとう、先輩」

「なに?」

「!なんでもなか…ないです!」


何故か返事しただけで嬉しそうな顔されたんだけど
え、何?構ってちゃんなのか君
いいよいいよ、イケメンの構ってちゃんとか最高に可愛いじゃないか萌える。
また一つ彼に革命が起きたな…


「ありがとう先輩は昼休みいつもここに?」

「うーん、晴れてる日は大体ここにいるよ、雨の日は教室で死んでる」


というか雨の日は机に突っ伏しながら妄想してるところを友達に攻撃されてるの方が正しいのだが
決して友達がいないからここにいるわけではないのよ決して!ただ友達がみんなリア充だからこういうことになるんだ…!微笑ましいから爆発しろ!


「じゃあ晴れの日はここ来ていいかの?です?」

「いいよ」


今のは明らかに無理矢理とかいう次元じゃなかったよね、雅治くん

そうは思うがやはり注意はしない、その謎のしゃべり方+謎の敬語について触れられるのはいつになるのやら…



.


6/42

*prev next#
目次