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「っ…!」


気分的に鼻血が出るのではないかと心配になって口元を押さえつつ確認する、どうやら鼻血は出ていないようだ
ふるふると震えそうになる自分を抑えながら目の前の光景を目に焼き付ける、文字通り目が焼けそうになるくらいガン見している。


「キャベツってこれかの?」

「仁王くん、それはレタスです、書いてあるのをよく見てくださいよ」

「あー…あ、これか」

「そうです…ちょっと、新鮮なの選んでくださいよ」

「主婦かお前さんは」

「買い物に付き合わされてたら自然と覚えたんですよ」


私は自然が一番いいと思っている、もちろん腐った世界の話である 
イチャイチャしているのはもちろん大好きだ
だが王道的展開やわざとらしい狙った演出など逆に萎えるだけだ
では私は何を求めるか、それは初めに言った自然なのだ。

自然が一番、普通の中にこそ真の萌えがある。
そこらのBLアニメよりも普通のアニメの方がときめいたりするこの感性こそが大切なのだ


スーパーで何意味不明なことを考えているんだと思われるだろうが
良くも悪くも彼女の脳内の中のことなのでやはり周りの人が知る由もない

「で、先輩次何かうんじゃ?」


先輩…!なんていい響きなの!
でも私より比呂士に使ってほしいわ!ああでも同じ年かぁ…惜しいなぁ


「えっとね…あぁ、トマトとほうれん草、あと卵」

「了解ナリ」


ところで雅治くんは買い物カゴを持ってくれている
そして主婦のように口うるさい比呂士が率先して隣で何を買うべきか、新鮮かを指導している光景は本当に目に優しい光景だった

そう、光景、まさに光!あの二人の周りだけ輝いて見える!


(萌え不足だった私に神からの贈り物が届いたのね!)


鼻血ではなく涙が出そうになり目元を抑えるがやはり涙は出ていなかった



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