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「決めた、今日多めに買い物してやる」

「…姉さん大人げないですよ」

「だってまだ大人じゃないもん」

「子ども扱いすると怒るのは何処の誰ですか」

「比呂士は年下でしょ、だから怒るの!」


そんなこんなでなんとなく話題を逸らすことには成功した


「買い物?今からっすか?」

「うん、今日お母さんから二人で買い物して来いって言われてるの」

「へー…新婚夫婦みたいだな」

「なっ…!」

「おお、その発想はなかった」


けど私としては君たちが買い物してキャッキャしてる方が萌えるんだ…
そんなことを思っていると銀髪くんが俺も行くと言い出す

…え、それはあれですか『いくら姉でも一緒に買い物とか気に食わねぇ、比呂士の隣は俺だぜ』的な?

確か比呂士ダブルスこの子とだったはず
銀髪の食えない子って聞いてたから間違いないはず 
え、ちょっと萌えるんですけど


「仁王くんなんでついてくるんですか」

「別にいいじゃろ、荷物持ち増えるだけじゃき」

「全く…貴方と言う人は」

「プリ」

「!」


ほ…方言、だと…!?しかもプリってなに!?可愛いんですけど!
ポイント跳ね上がったよこの二人そう言う道に行く気ないですかね!?

お、落ち着け私 
ここで息でも荒げようものなら確実に変人扱いだ!
落ち着け、素数を数えるんだ…


「姉さん、良いですか?」

「うぇ!?いいよ別に、2も素数だよ!」

「なんで急に素数の話になるんですか…姉さんは思考がいつも飛躍しすぎです」

「うう…」

「くくっ、柳生の姉さんはおもしろいのう」

「ど、どうも…?」

「俺は仁王雅治じゃ、名前で呼びんしゃい」

「!仁王くん!」


比呂士、私には今の君の叫びが『私ですら名前を呼んでいないのにどうして姉さんには許可するんですか!』と言う風にしか聞こえない
くそお前ら萌え提供しすぎなんだよ!

こうなったら作戦変更でこの三角関係を利用して二人をくっつける作戦にしよう!


妄想全開な思考が彼女の脳内で繰り広げられてる事は弟ですら気づくことが出来なかった



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