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周りをざっと見渡して見慣れないイケメン達に囲まれた見慣れた弟を見つけて思わずニヤリと笑ってしまう自分がいた
類は友を呼ぶ、とはこの事だろう
私はこの時ほど弟が美形であることに感動を覚えた事は無い!
(普段は一緒に歩いてると女子の目が鬱陶しい)
あんだけ美形が親しげに話してるんだから一人くらい気がある奴いるだろ!そうなんだろ!?
そんな期待と言う名の妄想をしながら私はいつもの調子で彼に後ろから駆け寄って抱きついた
「ひーろし!」
「うをっ!」
驚いた声を上げた後に苦々しい顔でため息をつきながら眼鏡をあげる仕草…予想通りのリアクションありがとう比呂士よ
「ねービックリした?ねぇ?」
「まったく貴女何歳なんですか…」
「15歳」
「私からしたら年上なのがいつも信じられないですよ…」
「えーひどい」
ぶくっと膨れてみせるが相変わらず呆れた顔で流される…うう、我が弟は冷たいなぁ
「お、おい柳生そいつ誰なんだよ?」
「ま、まさか先輩の彼女…!?」
「柳生が年上の彼女…意外ナリ」
そんな声が聞こえてきて比呂士が違います!と慌てるので少し悪乗りしてみた
「え…彼女って言ってくれないの…?」
「や、やっぱり彼女!?」
「違います!私の姉です!」
「姉って…ぇえええ!?」
「っち、比呂士ももう少し乗ってくれてもいいのに」
そう言って私は比呂士から離れて彼らを見るが…
やはり美形揃いで目の保養になるねぇ、ちょっとお前らいちゃつけよ←
「はじめまして、私は柳生ありがとう、弟の比呂士がいつもお世話になってます」
「おいおい…柳生先輩にこんな美人の姉ちゃん居たんスか…!?」
「ふふ、美人だなんて褒めても何も出ないよ」
「そうですよ切原くん、姉さんは変人なんですから」
「失礼な」
「一般からは逸れてるじゃないですか」
「む、ぅ…」
言いかええない…こんなみんなの前で私の秘密を暴露する気か貴様!
そんなことしたら彼らが私の前でイチャイチャしてくれなくなるじゃない!
(※それ以前に彼らはイチャイチャしません)
比呂士が変な事を言う前に話題を逸らさないと…!
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