スキンシップ激しい財前の幼馴染


「あ、卵焼きや」


視界の端に過ぎった薄黄色のそれに思わず彼が声を洩らすと隣の彼女がくすっと笑っていう


「甘いやつやけど欲しいん?」

「甘い方がええ」

「ほな、あーん」

「あーん」

「…ずっと思っとったんやけど」


目の前でバカップルの如くイチャつく二人に、今日と言う今日は堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに謙也が声を上げた


「自分らほんまに付き合っとらんの?」


一方目の前の二人…ありがとうは不思議そうにキョトンとした顔で首をかしげ財前は少し不快そうに眉を潜めた


「光とウチは幼馴染やで?」

「…謙也さんいらんこと言わんでください、死にたいん?」

「財前の脅しが冗談のレベル超えとって泣きたい」

「ドンマイ謙也(笑)」

「笑うなや白石!」

「まぁまぁ二人の事は今に始まった事やないやろ」

「せやけど…」


ちらりと二人に視線を戻すとベッタリくっついた二人がやはりバカップルの如くいちゃついている
ちなみにこれはまだましな方である
休み時間は自分の膝に乗せたりハグしたり、取りあえず謙也の目には刺激が強い事ばかりである


「ありがとうご飯粒ついとる」

「え、ここ?」

「ちゃう、反対」

「こっち?」

「此処や」


場所を指定しても見つけられないありがとうを見兼ねて財前は口の端についたご飯粒をとってやる
そのままぱくりと食べるとあ゛ー!と顔を真っ赤にした謙也
うるさいと思いつつ彼を馬鹿にする白石に彼の相手は任せることにした


「あ、そこやったんか…おおきに光」

「ええけどそないがっつかんでも弁当は逃げんで」

「えへへ」


「俺っもう嫌や!」

「謙也も彼女作ったらええやん」

「俺の運命の相手がおらん!」

「…」


一瞬白けたが皆は再び何事もなかったかのように動き出したのだった



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special thanks 詩河様 読者様
詩河様のみお持ち帰りを許可します
p.s.
遅くなってしまってすみません><
もう少しいちゃつかせた方が…これで、大丈夫でしょうか…


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