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私は周りの人を避け駆け寄って彼の頭の下に手を入れゆっくりと持ち上げて膝の上に乗せる


「ユウジ大丈夫?」

「大丈夫に見えるか?」

「…みえ、無くはない」

「大丈夫やあらへんわドアホッ!…っ〜!!!」

「そんな大声出すから…もう…誰か!氷持ってきてくれませんか?」



球の当たったところに触らない様に頭を撫でてあげると呆けていた周りがハッと我に返り駆け寄ってきた


「はい、アイスノン」

「ありがとうございます…ほらユウジ、これで押さえて」

「おん…」

「良かった、打ちどころ悪かったら大変だったよ」

「せやな…」

「ちょ、ちょい待ち!自分らなに普通に話進めとんねん!」


ユウジと打ち合いをしていた金髪の子に叫ばれてああと私も状況を思い出した
そういえば見学に来たと言っただけでまだ何にも話してなかったんだ 
そう思ったらしっかりあいさつしないとと変な気をまわしてしまった


「いつもユウジがお世話になってます、私ユウジの彼女の十万打ありがとうです」

『か…彼女ぉ!?』


皆が清々しい位にハモッて信じられないと言った表情
そしてその中で一人だけ可愛らしい笑顔を浮かべながらそっと隣にしゃがみ込んできた…


「そう!正真正銘ユウくんの彼女やでー!」


元気よくアピールするのはユウジとダブルスを組んでる小春ちゃん、この子だけは私も知っていて大事な友達である


「小春はしっとったんか!?」

「当たり前やで、ありがとうちゃん高1やからちゃんと敬ってあげなアカンで?」

「と、年上…」

「ユウジ、お前」

「自分ら変な目で俺を見んなや」


ユウジはギロリと言った効果音が付きそうなくらい睨みを利かすが彼らはそれどころではなかったらしいそれぞれが現実と向き合おうとしていた


「う、嘘やろ…ユウジですら彼女作れるんに俺は…」

「意外や…小春折るから彼女なんて作られへん思うてたんやけど」

「小春が居ながら彼女まで作るなんてずるいっちゅー話や!」

「今日のブログのネタ決定」

「まさかあのユウジが彼女か…」

「自分ら死なすど!」



一部不穏な言葉が聞こえたような気がしたが気のせいだろう 
なんだか元気な子たちだなと思いながらついつい笑ってしまうのを隠す事が出来なかった


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special thanks 実咲様 読者様
実咲様のみお持ち帰りを許可します
p.s.
遅くなって申し訳ありません><
そして年上設定もうまくいかせなくてすみません…


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