一氏ベタ惚れの金色の友達
「おっはよーんありがとうちゃん!」
「おはよう小春ちゃん」
この四天宝寺高等学校に転校してきて早数ヶ月
初めての転校に加えて生活環境も一転して困り果てていた私に救いの手を差し伸べてくれたのがこの小春ちゃん
最初はびっくりしたけど女の子顔負けな位可愛らしい人なんだよね
そして馴染み始めた私は今一つの疑問を持っている
知ってる人は…と言うかこの学校の生徒だったらほとんどの人が知ってると思うんだけど、私はこの人に対して疑問を持っているんだ
「小春〜ありがとう〜!!」
「ユウくん!」
「あ、ユウジくんおはよう」
「ああ!二人が俺に笑いかけてくれる、それだけでここは楽園へと早変わりやで!」
そう、ツンツンも度を越して小春ちゃん以外にはデレないのではないかと思われていたこの人、一氏ユウジが何故か私にまでデレ全開でアタックしてくる
初めは怖そうだし仲良くなるまで時間かかりそうだなとか思ってたら初対面で『ドストライクや!小春と一緒に嫁に来たってや!』と言われた
良くわからないのだがどうやら私は彼のストライクゾーンに入ってしまったらしい。
予想外の出来事に私以上に周りの方が驚いていたのも記憶に新しい
「今日も元気だねユウジくん」
「二人がおってくれるなら俺はいつでも元気や!」
「ユウくん…!」
「小春…!」
「…」
「さぁ!」
「ありがとうちゃん!」
「「三人で、新しい漫才を!」」
「…漫才、はまだ無理かなぁ」
ついには二人で組んでいる漫才のペアに入れてトリオで活動しようとか言い出したのだ
ユウジくんは暴走するしそれを見て小春ちゃんは悪乗りするし私の味方はどこにもいないのか…!
「せやねぇ、ありがとうちゃんは天然やからツッコミを入れてもぽわぽわしてまうわなぁ」
「そんなところも可愛いでありがとう!」
「あ、ありがとう…?」
「あああ!ありがとうなんでそないかわええねん!犯罪級や!誘拐されてしまうわ!」
「それはないと思うんだけど…」
「いや!ありがとうの可愛さならそこら辺の奴らが生き血を啜らんとする獣の如き変質者どもの餌食になってまう!」
「生き血を啜らんとする…」
ユウジくんはほんと清々しいほど暴走するなぁ…と思っていると両肩をぐわっと掴まれてずいっと迫られる
急な事でユウジくん暴走してるけど整った顔なわけで思わず顔が赤くなるが彼はそれどころではなかったらしい
「ありがとう!お菓子チラつかされてもついてったらアカンで!」
「わ、わかってるよ…」
「お菓子なら俺がいくらでもあげたる!」
「そう言う意味でもないような…」
「二人ともラブラブやねぇ萌えるわぁ#nme#ちゃん」
「小春ちゃん…!」
こんな調子の日々が続くばかりで前にも進まなければ後ろに戻りもしない訳だが、前途多難な私に救世主は舞い降りるのか!?
…とりあえず、暴走したユウジくんの止め方から詮索していこうと思います、まる
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