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「それにしても当たりは一つなんじゃなかったのか?」
「一つだっただろ」
「…」
何もないのが一番、普通に考えれば一つだけに入っていると思うがどうやら逆だったらしい
「取りあえず俺らは同時に選んで同時に食べようぜ」
「そうじゃな」
「一人ずつ行くと妙なプレッシャーがかかりますしね」
という事で同時に選んだのだがジャッカルと仁王の選んだ饅頭が被ったためじゃんけんで決め、取りあえず一人ずつ饅頭が行き届いた
「よし、準備は整ったな」
「…では、行きますよ」
「おう…」
「せーの!」
三人同時に饅頭を口に含んだ瞬間柳はあ、と声をもらした
「間違って全部薬入りのものを配ってしまった」
「「「!!!?」」」
死刑宣告を聞きつつも薬入り饅頭がすでに口の中、吐き出すことは許されない
――ポフン
一番わかりやすい変化を遂げたのはジャッカルだった
「ジャッカル!?…お前…」
「あ?」
「お前…本物のジャッカルになってんぞ」
「は?」
お前何言ってんだといつもの調子で言っているジャッカルだが、傍から見たら動物が流暢に人語を操っているようにしか見えない奇妙な光景だ
「柳生、お前さん何処か変わっちょるか?」
「いえ…」
一方で何処が変わったのか本人や周りもパッと見ではわからない仁王と柳生
「ふむ…おそらく二人とも内面…性格もしくは口調などに変化が出ている可能性がある」
「そうかのう?」
「さぁ、私にはさっぱりですね」
「そのまま放置していればいずれわかるだろう」
「なんだか面白みがないなー」
「…幸村よ、面白がらんでくれ」
「いいから真田くんはしゃべらないでくれますかね、そんなにお仕置き希望ですか?」
『!?』
「柳生!お仕置きって?もちろん俺に?」
『!!?』
一言で例えるなら鬼畜眼鏡トドМの図
余りにの違和感のなさが返って微妙な空気が生んだ
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