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「…これ、なんすか」


重苦しい空気の中、ようやく口を開いたのは切原だった 
そしてその質問を待っていたとばかりに柳は若干早口で答えた


「俺得性の薬が入った饅頭だ」

「…薬?」

「ああ、体に悪いものは入っていない」


体に悪くない、そう言われても薬が入っていると言われて安心できる人などいなかったわけで


「それはどんな薬だ」


ナイスだ!真田(副部長)!!! 
皆の心が一つになった瞬間だったが柳はそんな皆の思いを破壊の鉄球の如くぶち壊した


「それを教えてしまってはつまらんだろ」

(つまんなくねーよ!)

「うむ、そうだな」

(真田も納得してんじゃねえよ!)

「それでだな、この薬入り饅頭でロシアンルーレットをしたいと思っている」

(ヤメロォ!)


それぞれ口には出さなかったが心の中ではしっかりと反論していた 
なぜそれを口に出さなかったかと言うと


「確かに面白そうだね、早速やってみようか」

(((ですよねー)))


魔王幸村が楽しそうにニコニコとした表情を浮かべているのをメンバーはしっかりと目撃していたからだ
この笑顔を見た瞬間ああ逃げられないなと悟ってしまったのだ


「ではまず三人一組で3グループに分かれてもらう」

「俺らの人数じゃ一組二人になっちまうぜ?」

「そこは考えてあるさ、不正が無いようこの紙に線を引きあみだくじ制にする」

『っち』


綺麗にハモッた舌打ちがある意味清々しかった 
そして一人ずつ一本棒を付けたし場所を選ぶ作業の末


「嘘だぁあああああああ!!!」

「ブン太…お前の事は忘れねぇよ…」

「ブンちゃん、短い人生じゃった…」

「俺らの為に犠牲になってくれ…」

「お前ら見捨てんなよ!」


ちなみにこのあみだくじはグループ決めと同時にそのグループが何番目かも決まるようになっており彼は見事に最も恐れる順番と組み合わせになったのだ
そしてそのグループは最初から順番に 真田、柳、赤也。仁王、柳生、ジャッカル。丸井、幸村。と言った様子だった

確実に死亡フラグが立ったなと、ブン太を憐れみながら自分じゃなくてよかったと凄く安心しているのだった


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