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「荷物、私が部室に持って行ってあげるから外周行ってきていいよ、始まったばっかりだから」

「え、でも」

「大丈夫だよ、ほら」

「…じゃあお言葉に甘えるっす!」

「いってらっしゃい」


荷物と鍵を受け取りやっぱり元気な様子で走っていく彼を見る私
切原くんと話すときは弟感覚だけど、この瞬間は子を見る母のような感覚に近いのかもしれないなと思う
部室に戻って彼のロッカーの鍵を開け荷物を入れる、鍵は走り終わった後に渡せばいいかな

タオルの準備をしつつドリンクを作って持っていくと既にレギュラーの皆は走り終わっていた…私だったら半分も終わってないだろうなぁ


「皆お疲れ様、流石に早いね」

「これ位は簡単に熟せないとね」


幸村くんの言葉が正に部長と言った感じでつい感心してしまった


「ありがとうーいつもの」

「あ、はい」


丸井くんが楽しみと言った様子で駆け寄ってきたので私は彼の分のドリンクといつものを取り出す


「はい、今日のチョコはちょっと甘めね」


朝練と、放課後の練習時に一つずつ彼にお菓子の差し入れをしているのだ
これは彼の糖分切れを防ぐと言うよりはやる気スイッチみたいなものだ。
あまり取りすぎるのもいけないから一口サイズのチョコとかが多いけど


「さっすがありがとうは分かってるなー」


そう言って頭を撫でられる、彼らのスキンシップにはまだうまくなれないもので少し頬が赤くなる

実は切原くんのハグも慣れてなくて普通に接することは出来るようになってきてるけど恥ずかしさはある


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