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「げぇ…またテストー?」


私の呟いた声を近くに居た白石くんはしっかり聞き取っていたようで凄い勢いで振り返った

「お困りの様やなありがとう!」

「私は勉強に関してはいつでもお困りだけど…というかどうしたの白石くん、元気だね」

「ありがとうが困ってるからや!」

「え、酷い…」

「ちゃうちゃう、ありがとうが困ってる、つまり俺の出番や!」

「意味わからへんわ」

「全くやで…ってありがとうの関西弁!?」


急に謙也が入ってきたかと思ったら絶妙なツッコミを入れてくれた
うん、私このノリ大好きだ


「とりあえずありがとうの為に勉強会を開くで!」

「あーなら全員呼ぶ?」

「場所は?」

「私の家でいいよ、リビング無駄に広いし」

「ありがとうの家やと!?行く!絶対行くわ!」

「白石くんうるさいよ」


と言うことでテニス部レギュラー全員総出で家に来ることとなった、ちなみに親はどっちも仕事なので自由にできるというわけだ


「うーん…英語終わったわ」

「ありがとう、まだ何もしてへん」

「だって無理」

「ありがとうさん、他の科目は?」

「えとね、私暗記なら得意なの」


多分私の様に暗記だけ得意な人凄い居ると思うんだ
そしてそれにすべてを注ぐ人…うん、絶対いる。


「だから生物と日本史、世界史は今日やらない」

「あー生物なぁ…あ、俺物理やった」

「俺なんて理系やから科学と選択の数学あるんやで」

「果てしなくお疲れ様、文系の私からしたら絶対踏み込めない領域だわ…」


でも英語を覚えるより数式を…いやどっちも嫌だ。


「でも現文とかは並みはとれるんやろ?」

「多分…終わってるのは英語だけだよ」

「ワイ古典やでーなぁ白石ぃ意味わからへん!」

「金ちゃん、俺はありがとうを教えるので…」

「部長、ありがとうさんには俺が教えるんでそっちお願いしますわ」

「財前学年ちゃうやろ」

「俺英語得意なんで余裕っすわ」


そんなやり取りをしている周りから視線を外しもう一つのテーブルで勉強する人達を見る


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