「スカートは適度に短く、髪も結んで…よしオッケー!」


偶々職場で仲の良くなった同僚が立海の卒業生だったらしい
その子が「それ着て立海潜入して着たら意外とバレなかったからさ、5万打感謝もやってみない?」なんて言い出したのだ
よく今まで制服を保管してたものだ…私なんて早々に学校に提供してしまった
私は弟が現在進行形で立海に通っているわけで普通にバレるだろ!と抗議したのだが放課後なら行ってもバレないだろというお言葉を頂いた

なんだかんだで部活に励む弟を見てみたい気もした私は甘い誘惑に馬鹿みたいに乗ってしまって今に至る


「雅くんちゃんと部活やってるかな…」


あの子偶にサボるらしいからサボってたら多分バレたとしても怒るだろう
極力バレないようにがメインだが今は化粧もしてないからバレ辛い…はず 家でもあんまりスッピン見せない様にしてたからね
変な美意識がこんなところで役に立つとは…その代りスッピンで学校に行くという羞恥プレイに耐えてるわけだけども


「よし誰もいない…!」


辺りを確認して近くには誰もいないことを確認して5万打感謝は思い切って侵入する
勘で進んでいく間結構生徒とすれ違ったが何も言われないとこをを見ると特に怪しまれてはいないらしい

「ぅわ…」


そんなことを思っていたら目の前から先生らしき人が歩いてきた、スーツだし…うん
きっと先生だって全生徒の顔を把握してるわけじゃないし、大丈夫…だよね?


「おい」
「へぁ!?な、なんです?」


え、嘘!?なんで話しかけてくるわけ?気づかれた?!


「何驚いてるんだ、お前校舎に向かってるが忘れ物でもしたのか?」
「え?あ、はい(こっち校舎なんだ…」
「もうすぐ校舎の鍵を閉めるから早めに行って早く帰れよ」
「はい」


び、ビックリした…あれか、有難迷惑ってやつかこれ…(気を取り直して…テニスコートは…こっち、かな?)
黄色い声援がどんどん近くなってる、多分こっちであってるだろうな



「キャー!仁王くーん!!!」
「ん?雅くん頑張ってるのかな?」


ついたと同時にそんな声援が聞こえたので人混みをかき分けて覗き込んでみる…うん、今日はまともにやってるみたい

それでもいつものような余裕が見受けられる…あーあ、もう一回でもいいから関東大会の時の青学との試合みたいなの無いのかなぁ
大会の度に応援には行ってたけど青学との試合の時に始めて全力の雅くんが見られた気がするから…ウチの弟もあんな顔するんだと思ったねあれは
…まぁそれは全国大会まで待つか、多分相手があの位じゃないと見れないだろうし


「…ん?」

そんなことを思い出しているとチェンジコートの時にこちらに来る雅くんと目があった

「…」
「…(焦るな私、バレちゃう…!」
「…流石にない、か」


恐るべき弟の勘が働いて私を一瞬のうちに見つけた事には異常に焦ったけど
流石にここにいるわけないと思ったらしい…助かった 


来たばっかりだけど雅くんの試合が終わったらすぐ帰ろうと思う…そう思ったのに


「わりぃ大丈夫か!」
「は、はい大丈夫です…」


何故、こうなった

私は雅くんの試合が終わって満足して帰ろうとした時だった、皆が手塩にかけて育ててる後輩の切原くんの打ったテニスボールが私に当たった
歩いていた私はその場で転んでしまって切原くんに運ばれてきたわけだが何故か他三人がついてきた



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使えないんだぜ