『俺と5万打感謝の出会い…っすか?』
『せや!気づいたら彼女出来とるし!説明しろや裏切り者め!』
『モテへんの俺のせいにされても困りますわ』
『財前ー!!!』
『謙也は置いといて、実の所どんな?』
『どんなて…まぁ普通っすわ』 


―――――― 

―――



「…財前のやつあんな事いっとったけどほんまかいな」

朝練の時に聞いた後輩のあの言葉に未だ不満を隠せないでいる忍足はクラスで白石に愚痴っていた


「んー普通かもしれんし、単に話したくなかっただけかもしれんし…」


白石が考え込む様に腕を組むと忍足は納得できないというように抗議した


「絶対なんかある!」
「…ちゅーか謙也の場合悔しいだけやろ」
「う゛…で、でも白石も気になるやろ!?」
「そりゃあな」


そういうと忍足はほらな!と思い切り立ち上がる


「どこ行くんや謙也」
「決まっとるやろ!財前のクラスや!」


それはそれは周りも驚くほどいつになく燃える忍足に白石は口元を引きつらせた


「お、おぉ…気を付けてな」
「何言うてるんや、白石も来るやろ」
「え」
「ほないくでー!」
「…はぁ」

これ以上は何を言っても無駄だと悟った白石は呆れを含んだ重い溜息をつきつつ忍足についていく
…結局ちょっとした好奇心に彼も負けたのである



「――…おったで白石」
「…普通に仲良さそうに話しとるけど」


廊下からこっそり覗いているので周りが不思議そうにこちらを見ているのだがこの際気にしないことにする
二人は楽しそうに話していて周りもいつもの事なのか気にしてなかったり二人を見ては微笑ましそうにしていたりだった



「財前が先生に呼ばれたで」
「おっしナイスや先生!」


何かの係だったのか先生に連行される財前を手を振りながら見送る5万打感謝
彼が教室を出ると同時に二人はばれない様に教室に入った


「5万打感謝ちゃん」
「あれ、お二人ともどうしたんですか?」


声をかけると不思議そうにこちらを見上げてきた


「少し聞きたいことあってな」
「なんです?」
「率直に言うと財前との馴れ初め教えてほしいんや」
「へ…」


意味が解らないというように呆けていた5万打感謝も数秒経って意味が分かったのか顔を真っ赤にしながらええ!?と驚いている


「な、なんでですかっ」
「いや少し気になって」
「気にならないでくださいよ!」
「そう言わんといて!財前のやつ教えてくれへんし」


別にいいじゃんといった感じで言う忍足に白石は苦笑しながら先越されて悔しいだけやからと付け加える




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使えないんだぜ