「…なにがあった」
切実にそう思った私は間違ってないと思う
出来ることなら目の前の光景が幻であってほしいとまで思う
私の記憶が正しければ二人は今さっきまで口論していたはずなのに
二人は仲良くアルバムを見ているではないか
しかもさり気なく父と母が混ざっている
良く考えたら今日二人とも家に居るんだった…
「皆して何してるの」
私が二階の自分の部屋に携帯の充電器を取りに行っている間に君たちは何一家団欒しちゃってるの、若干まだ一家じゃない人いるけども
「あら音彩、貴女も見れば?懐かしいから…あぁこの時の写真とか」
「懐かしいな…」
「ちょ、めっちゃかわええ」
「だよなー」
4人とも意気投合しているように写真を一枚一枚見ている…いや私の写真重点的に見るの止めていただきたいのだが
なんて思いつつも私も光の隣に腰掛けてアルバムを覗き込む
まだ保育園に行っていた時から小学校の入学式位までの写真があるページだった
赤ちゃんの頃から見てたのかこの人達はと呆れつつ恥ずかしさが半端なかった
「音彩小さい時誘拐とかされなかったん?」
「いやいやそんな物騒な出来事なかったから」
「まぁ犯罪級の可愛さなのは認める」
「っすよね」
「二人とも音彩大好きだなー」
はははと笑うお父さん、いや止めてくれよ
娘が恥ずかしがってるの察してくれよ
お母さんはエピソード語るのやめてくれ本当に
でもそう言う言葉を飲み込むくらい懐かしくてたまにはこういうのもいいかなと思った。
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