面倒事は避けたいんだけど…
「怪我ないよね?」
「ああ、だが今のは…」
「そこのところも詳しく説明したい…けど今からだと時間かかっちゃうしなぁ…」
仁王丸井あたりに何も言われないところを見るとどうやら今朝の死神化はばれていなかったらしい
少し考えてから取り出した記換神機を唐突に使ってみた
ボフンと煙と音を立てたそれに皆は驚いて咽るだけだった
「けほっけほっ…な、なんだよこれっ」
「記換神機が効かない…これも知らせるしかない、か…」
「おい、今のはなんだ!」
「今のは記換神機と言って人間と虚の間に関する問題に巻き込まれた人間の記憶を書き換えるものだよ」
「ホロウ?さっきの化け物の名前か?」
「そう、普通はこれで忘れるはずなんだけど…皆効いてないみたい」
「なんでだよ」
「私が聞きたいよ…」
どうやら私が思ってた以上に面倒なことになりそうだ
「取りあえず明日の昼休み、屋上で説明するから今日は引き下がって欲しい」
そう言うと皆渋々と言った様子だが承諾してくれた
「ご協力感謝します、貴方達は私が守るから心配しないで…っじゃ」
「ぁ、おい!」
くるりと背を向けると呼び止められたが瞬歩で屋上まで移動した
「お疲れ様です奈々緒様」
「待たせちゃってごめんね」
「いいえ、貴女様はなすべき事をしていた、それだけです」
そう言ってほほ笑む白百合はやっぱりいい子だと思う
義骸に入ってからカバンを漁りとりだした猫のぬいぐるみに義魂丸を入れた
「さ、一先ず帰ろう、今夜は忙しくなりそう」
「はい、奈々緒様」
元気よく手を挙げた白百合が可愛らしくて頭を撫で抱きしめた
真兄に連絡は一先ず一護の家に行ってからだな…
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